健康保険では、業務外で発生した病気やけが、または、出産および死亡した場合に定められた各種の給付金を支給します。これらの、診療を提供したり給付金を支給することを「保険給付」といいます。
業務外の原因で病気やけがをしたときに、健康保険を扱う病院や診療所の窓口で保険証を提出すると、次のような療養を受けることができます。
健康保険は、業務外の病気やけがに対して給付を行うもので、勤務中や通勤途上でけがをしたときは労災保険の扱いになります。重複して給付を受けることはできませんので、ご注意ください。
保険給付を行う方法には、病気やけがをした場合に、これを治すために医療そのものを給付する方法と、治療にかかった費用を給付する方法との二つの方法があります。医療を給付する方法を「現物給付」、現金を給付する方法を「現金給付」と呼びます。
健康保険の給付の対象となるのは、治療方法として安全性や有効性が認められ、あらかじめ国によって保険の適用が認められている療養に限られます。
健康保険が使えないとき | 健康保険が使えるとき |
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仕事や日常生活にさしさわりのないソバカス、アザ、ニキビ、ホクロ、わきがなど | 治療を必要とする症状があるもの |
回復の見込みがない近視、遠視、乱視、斜視など | 視力に変調があって保険医にみてもらったときの診察、検査、眼鏡の処方せん |
美容のための整形手術 | けがの処置のための整形手術 |
健康診断、生活習慣病検査、人間ドック | 診察の結果、治療が必要と認められた場合の治療 |
予防注射、予防内服 | 感染している可能性がある場合の破傷風の予防注射 |
正常な妊娠・出産 | 妊娠高血圧症候群、異常出産など、治療する必要があるもの 人工授精や体外受精、顕微授精など一部の不妊治療 |
経済的理由による人工妊娠中絶 | 経済的理由による場合以外の母体保護法に基づく人工妊娠中絶 |
業務外の病気やけがであっても、次のような場合には保険給付が制限されます。
全部を制限 (埋葬料以外) |
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全部または 一部を制限 |
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一部を制限 |
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療養にあたって保険証が提出された場合、医療機関は健康保険組合が負担する分の治療費を1ヵ月ごとにまとめて請求します。その際、全国すべての医療機関と健康保険組合がそれぞれに請求や支払いを行うと、大変繁雑な作業となります。
そこで、医療費の請求および支払いは、社会保険診療報酬支払基金等の審査支払機関を通じて行われます。このため健康保険組合に医療費が請求されるのは、おおよそ2ヵ月後となり、健康保険からみなさんに給付金が支給される場合なども、診療月の3ヵ月後以降に行われることになります。